ルアー釣りの世界には無限の奥深さがあり、その中でもバス釣りは特に世界で人気があります。バス釣りの世界で、アメリカンルアーと日本のルアーはそれぞれ独自の魅力と特徴を持ちますが、なぜアメリカンルアーが日本のルアーより釣れると言われるのか?この記事では、アメリカンルアーと日本のルアーの違いや特徴、アメリカンルアーが何故日本のルアーより釣れると言われるのか解説していきます。
日本でのバス釣りにおいて本当にアメリカンルアーの方が釣れるのか?
いきなり結論になりますが、どんな条件でもアメリカンルアーに軍配が上がるワケではありません。
日本のルアーとアメリカのルアーでは目指すものが違い、有効なシチュエーションやアクションの付け方も違います。
勿論ラパラ(フィンランド)とアメリカンルアーとでも特徴がかなり違いますが、ラパラの話題はまた今度という事で……。
アメリカンルアーの特長と魅力
アメリカンルアーは、その名の通りアメリカで生まれたルアーであり、アメリカの広大な釣りフィールドや多様な釣りスタイルに合わせて設計されています。その特徴は次のような点に集約されます。
1. サイズとボリューム
アメリカのブラックバスは、日本のバスに比べて体格が大きいため、それに対応するためのルアーも大型化しています。例えば、アメリカのバスプロのタックルボックスに99%入っていると言われるボーマーのモデルAの基本である7Aを持ってみると「大きめだな…」と感じると思います。これらのルアーは、大きなバスの捕食本能を刺激し、特に大型のバスをターゲットにするのに最適です。
上の画像は左から米国ボーマー社モデルA 7A、エバーグリーンコンバットクランク60、
ダイワピーナッツⅡ DR。いずれも非常によく釣れるルアーです。
2. 強力なアクション
アメリカンルアーの多くは、強烈でダイナミックなアクションを持っています。例えば、日本のクランクベイトがウォブリングアクションがメインなのに対し、アメリカンルアーはそこにロールが強く入るものが多くなります。スピナーベイトに関しては日本では3/8ozや1/4ozのものがよく売れていますが、アメリカですと5/8oz、1/2ozあたりがメインとなり、重い分ブレードも大きく水中での動きが非常に激しくなり、バスの視覚や聴覚を強く刺激します。これにより、バスが反射的にルアーにアタックする確率が高くなります。
3. 使用ライン
ルアーを使う際に切り離して語れないのがラインです。アメリカの釣り場は、岩や植物等の障害物が多く、ルアーやラインが擦れることも頻繁です。ヒットした大きなバスが障害物に潜ることも多く、これに対抗するためアメリカでは強いラインを使うことが多く20lbや30lbのラインを使う事は普通です。日本ですと繊細なルアーが多い為ベイトタックルでも16lb以下のラインを使う事が多くなります。
また、世界の釣り糸の表記と日本の表記は違う為、同じ16lb表記だとしてもアメリカのラインの方が太く強度も高いです。つまりアメリカンルアーを使う人の多くが強いラインを使い、結果的に障害物を攻める釣りが心理的にしやすくなる事が、釣れる要因の一つになっているとも考えられます。
日本のルアーとの違い
日本のルアーもまた、その特性と魅力を持っていますが、アメリカンルアーとはいくつかの点で異なります。日本の釣りフィールドや釣りスタイルに合わせた設計がなされています。
1. サイズ感
日本のルアーは、一般的にアメリカンルアーに比べてサイズが小さく、軽量です。これは、日本のブラックバスが比較的小さな獲物を捕食する傾向がある為です。また、釣り場の規模もアメリカと比べてかなり小さい為、アメリカのように広大な場所からバスを探すというよりは特定の場所にいるバスを如何にして釣るかという釣りになる事が多い事にもよります。
2. 精密なアクション
日本のルアーは、精密で繊細なアクションを持つことが多いです。特に、ワームや日本独特のルアージャンルであるシャッドなどは、小さな動きや微細な変化に反応するように設計されています。これにより、スレたバスが思わず反応してしまうという事です。
3. 繊細な材質
日本のルアーは、軽量で繊細な材質やデザインが使用されることが多いです。これにより、ルアーの水中での動きが非常にスムーズで、バスの警戒心を和らげる効果があります。特にワームに関しては顕著で、水押しよりもわずかな水流やロッドワークで艶めかしく揺れ動く設計が成されています。しかし、その分、耐久性には限界があり、障害物に干渉したりすると破損しやすいこともあります。
アメリカンルアーの優位性
では、なぜアメリカンルアーが日本のルアーよりも多くのブラックバスを釣ることができるのでしょうか。以下の要因が考えられます。
1. バスの捕食本能を刺激する
アメリカンルアーの大きなサイズや派手なアクションは、ブラックバスの捕食本能を強く刺激します。大型のバスは、大きな獲物に対しても攻撃的になりやすく、視覚的な刺激に反応します。アメリカンルアーの大きさやアクションは、まさにその本能を引き出すために設計されています。
2. 広範囲をカバーする
アメリカの湖やリザーバーは広大で、バスが広いエリアに散らばっています。アメリカンルアーは、そのサイズやアクションによって広範囲を効率的に探ることができるため、多くのバスにアプローチすることができます。また、アメリカのリザーバーや湖は、水深が深く、広い範囲にわたるため、アメリカンルアーの広範囲をカバーする能力が生かされます。
3. 高い耐久性
アメリカンルアーの耐久性の高さは、障害物が多いエリアでも安心して使用できるというメリットがあります。岩や木の周り、ブッシュの中など、障害物が多い場所で釣りをする際に、耐久性の高いアメリカンルアーは安心して使用できます。特にヘビーカバーやシャローカバーでの釣りでは、その強さが活かされます。
●広い釣り場でオススメの大型ルアー!
広いダムや大きな湖、釣り場の規模に対して魚影が薄い、またはバスが散りがちな秋には大きいサイズのルアーが有効です。
中でもマグナムクランクと呼ばれる大きめのクランクベイト「ストライクキング KVD スクエアビルクランク8.0」を筆者は愛用しています。
規模が大きくバスの居場所が分からないような場所で他のルアーで反応が無くても、この大きさとアピール力でバスにしっかり反応させます。
日本の釣り場でもアメリカンルアーを使うメリット
日本の釣り場でも、アメリカンルアーの使用にはいくつかのメリットがあります。特に以下のような状況でその効果が発揮されます。
1. 大型バスを狙う
日本にも大型のブラックバスが生息するフィールドがあります。例えば、琵琶湖や池原ダムなど、大型のバスが狙える場所では、アメリカンルアーのサイズ感やアクションが非常に効果的です。特にサイズの大きいルアーは、大型バスの興味を引きやすく、捕食行動を誘発します。
2. 広いエリアを探る
広い湖やリザーバーでは、アメリカンルアーの広範囲をカバーする能力が非常に役立ちます。広いエリアに散らばるバスを効率よく探るためには、アメリカンルアーの強力なアクションや遠投性能が有利に働きます。
3. 障害物周り
アメリカンルアーの耐久性を活かして、障害物周りを攻めることができます。岩や木の中、ヘビーカバーの中など、日本の釣り場でも障害物の多い場所でアメリカンルアーを使うことで、他のルアーでは難しい場所でも釣果を上げることができます。
アメリカンルアーの選び方と使い方
アメリカンルアーを効果的に使うためには、その選び方や使い方を理解しておくことが重要です。以下のポイントを参考にしてみてください。
1. ルアーのサイズと種類
アメリカンルアーには、様々なサイズや種類がありますが、日本がどちらかと言えば新商品に注目が行きがちなのに比べ、アメリカでは定番のルアーが好まれる傾向があります。それはロングセラーであれば有るほど実際の釣果をすさまじい人数のアングラーが感じ、テクニックが練られた結果信頼の証として売れ続けていると言えます。もし迷ったらトップ、中層、ボトムで定番と言われるものを選べば良いでしょう。
例えばトップウォーターならレーベル社のPOP-R
中層はコーデル社のスーパースポット
ボトムではボーマー社のモデルA 各種等…
それぞれサイズも色々なものが有りますので小さめのものをチョイスする事も可能です。
2. アクションの選択
アメリカンルアーは色んな機能が搭載されている場合が多く、故にその使い方も非常に多く有ります。日本バスフィッシング黎明期を牽引し、現在も精力的に活動を続ける第一人者「ヒロ内藤」さんがアメリカンルアーの使い方についてそれぞれのルアーの特徴やテクニックについてYouTubeにて詳しく説明してくれているので是非見に行ってみてください。
彼のテクニックを学びつつ釣り場の水質やバスの反応に応じて、最適なアクションを選ぶことが重要です。例えば、濁りが強い場所では、強いアクションが効果的です。
3. 適切なタックルの選定
アメリカンルアーは、そのサイズや重量によって適切なタックルが必要です。特に、大型のルアーを使用する際は、強めのロッドやリールが必要です。また、ラインの太さや強度も考慮することが重要です。特にスピナーベイトは表記のサイズよりかなり重量的に重たくなります。
ロッドの適正よりも大幅に重たいルアーを投げる際はしなりを利用するのでは無くあまりロッドに負担をかけない投げ方をする事でロッドの破損を防ぐ事が出来ます。
トップウォータープラグに関しては小さめでよく釣れるものも多く、軽いルアーが投げられるタックルが必要となります。
例えば先ほどのレーベル POP-Rやヘドンのタイニートーピード、ボーマー社のスクエアA B04SL等はそれぞれ7g以下ですので場合によってはベイトタックルに拘らずスピニングタックルでの使用も考えて良いでしょう。
まとめ
アメリカンルアーと日本のルアーは、それぞれ異なる特徴と魅力を持っています。アメリカンルアーの大きなサイズや強力なアクション、耐久性の高さは、日本の釣り場でも効果的に活用することができます。一方で、日本のルアーの繊細さや精密なアクションも、特定の状況やバスの反応においては非常に有効です。
アメリカンルアーを使うことで、特に大型のバスを狙ったり、広範囲を探ったり、障害物周りでの釣りを楽しんだりすることができます。次回の釣行では、アメリカンルアーの特徴を活かして、新たな釣果を目指してみてください。どちらのルアーも、それぞれのフィールドや状況に応じて使い分けることで、より多くのブラックバスを釣ることができるでしょう。
コメント